専門医制度と美容外科について

2013年5月27日

先週からの続きです。

厚生労働省が、乱立する専門医を整理して、第3者機関を通す新専門医制度を2017年に設立します。それによって怪しい専門医は淘汰され、正式な専門医と標榜できる部門が確立されます。

4月の学会のシンポジウム『美容外科を志す若手形成外科医師へ』で、ご一緒させていただいたアジアン美容クリニックの鄭先生のコラムで新専門医制度と美容外科について書かれていましたので紹介します。

東洋経済日報に掲載されている 『 アジアン美容クリニック 院長 鄭憲 』 のコラム

今年の4月に開催された日本形成外科学会総会は、私が週一回、美容外来と学生の講義でお手伝いしている大学の主催ということで、いくつかのセクショ ンで企画や司会をつとめました。特に、若手や中堅の形成外科の先生たち向けに準備した美容外科診療、美容外科開業の現状を討論形式でおこなった発表は、会 場に入りきれず立ち見が出るほどの盛況ぶりで、美容外科に対する関心の高さがうかがえました。これとまた別に形成外科医にたいする美容外科教育の在り方を 考えるセクションでは、韓国から大学の先輩であり、韓国形成外科学会の理事長を務めた金容培先生、韓国形成外科医師会会長の趙先生を招待し、韓国の美容外 科、美容研修制度の現状などを話してもらいました。実は厚生省の指針のもと、2017年度から新専門医制度が実地されることが決まり、形成外科医が美容外 科をどのようにとらえるかは、形成外科学会の中でも大きな課題となっています。

 日本では医学部を卒業し、医師国家試験さえ合格すれば基本的には何科の診療でも可能です。しかし、実際は国家資格取りたてのペーパー医師では、手 術は勿論、風邪の処方でさえ儘なりません。特に専門性が高い分野であればあるほど、長いトレーニングと経験が必要であることは当然です。現行の制度では、 各分野の学会が独自に研修規定と筆記、面接試験などもうけて、専門医の資格を認定しています。これは学会内で自由な討論や意見が反映されやすいという長所 がある反面、学会ごとに専門医認定の基準が異なり、質の面で評価や統一性があいまいになっているという批判もありました。実際の診療技術や知識が必ずしも 持たない名ばかりの専門医が存在している可能性も指摘されていたわけです。海外のケースを見れば、韓国やフランスでは国による認定であり、アメリカやイギ リスでは、第三者組織が認定に関与しています。今回、日本でも学会とは異なる第三者機関を新たに設置して、認定過程を患者さんにもよりわかりやすく、信頼 できるものにしようというところにあります。

 日本では形成外科専門医の中で美容外科を診療、開業している私のような医者は少数派であると話すと、今回来日した韓国の先生は大変驚いていまし た。形成外科医の大部分が美容外科で開業をしている韓国では、美容外科専門医というものは存在しませんし、必要もありません。今日本が形成外科専門医の延 長上にサブスペシャリティーとして美容外科専門医を新たに作るかどうか、その為の研修や教育はどうするか、日本の美容医療の発展を考えると大切に岐路に来 ています

私も鄭先生が提言されているように、美容外科は形成外科の一部であり、最も専門性が高い分野であるため、研修を積んで確かな技術を持つ医師のみが治療を行うべきです。要するに知識・技術の確かな限られた医師のみが美容外科を行うことができるのという当たり前のシステムが日本にはないのです。ですから、、マスコミに良く出ている自称美容皮膚科医・形成外科医がはびこっていて、それを当たり前のように皆思ってしまうのです。

私はこの新専門医を機会に美容外科を取り巻く環境が改善するのではないかと期待しています。

 

今朝の走行距離8.88km 消費カロりー665.1kcal