形成外科
傷あと(瘢痕)・ケロイド
傷あと(瘢痕)・ケロイドの治療
傷あとは医学的にいうと「瘢痕」(はんこん)という言葉になります。けがであれ、手術であれ、皮膚に傷をつければ、そのあとに繊維組織ができて治ってゆきます。この繊維組織が瘢痕であり、どんな傷でもあとに必ず残ります。ちょうど、ブロックやレンガをつなぎ合わせるのに、セメントが必要なようなものです。一般的には、傷あとという場合には、目立つ「瘢痕」を「傷あと」と呼ぶわけです。厳密にいえば、いったん傷がつけば傷あとを簡単になくすことはできないため、目立つ傷あとを目立たなくするのが傷あとの治療ということになります。
目立たぬ傷を正常瘢痕と呼ぶことにした場合、正常でない、つまり目立つ傷はどんな状態でしょうか。
症状
- a 赤く盛り上がる、いわゆるミミズ腫れ(肥厚性瘢痕・ケロイド)
- b 白く平らだが、幅が広い傷痕
- c 引きつれを生じる(瘢痕拘縮)
- d 傷の合わせ目が段差になり陥凹している
- e 色素沈着、色素脱出のように色の違いが目立つ
- f 表面がテラテラと光る
など、色々あります。
肥厚性瘢痕・ケロイドの区別は、目立ち具合の持続で区別します。
いったん治ったように見える傷痕が、数週間して、赤く盛り上がっていわゆるミミズ腫れになり、数ヶ月、場合によっては数年傷の範囲を超えずに継続する場合を肥厚性瘢痕といいます。
肥厚性瘢痕の場合には自然に白く平らになっていきますが、何時までたっても軽快せずに、増えつづけていくのが、ケロイドです。
ケロイドは、傷の範囲を超えて盛り上がり、痛み・痒みを伴います。最近よく見られるのはピアスケロイドで、ピアス穴が盛り上がりビー玉のように膨らんで来院する患者さんをよく見かけます。
ケロイドは原因がいまだに不明であり治療法も決め手となるものはありません。
ステロイド注入・外用や内服治療が治療の中心となります。
耳介・耳垂ケロイド(ピアスケロイド)は一部手術適応(自費)による場合がありますのでご相談ください。
形成外科で行う傷あと(瘢痕)の修正には様々な方法
1.手術(症状 b、c、d)
傷跡の幅、段差、陥凹、ひきつれなどを修正するには、
1)傷あとを切り取り縫合して、段差のない1本の細い線にかえる手術
2)Z形成術・W形成術とよばれる手術により、一直線のキズをジグザグにして方向を変えて力を分散してひきつれを解除する手術
があります。
※保険が適応する場合は、引きつれによって機能的障害がある場合に限ります。 美容目的の場合には自費になります。美容外科・その他のページを参照してください。
02.フラクショナルレーザー(症状 a、d、e、f、)
皮膚にマイクロレーザービームを照射して、細かい穴を(15㎜四方に49ヶ所)開けることによって、傷の「てかり」をなくし、傷あとをぼかす作用のあるフラクショナルレーザー治療。
※フラクショナルレーザーは、自費診療になります。 美容皮膚科のフラクショナルレーザーのページをご覧ください。
03.保存的治療(症状 a、b、c、d、e、f)
ステロイド局注・外用・トラニラスト内服など(保険適応)やテーピングなどの圧迫治療があります。
シリコンゲルのケロコートによる保存的治療(自費治療)も有効です。
※ケロコートは、 アメリカのABT社により開発され特許を取得した、肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)およびケロイドなどの過剰瘢痕の治療および予防のための局所シリコンゲルです。 瘢痕の軟化、 扁平化及び平滑化を促進し、 隣接する皮膚の水分バランス及び弾力性を保ちます。日本国内では一般医療機器・液状包帯として登録されています。
ケロコート料金
ケロコート6g 米国製 | 4,300円 |
形成外科
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腫瘍(ほくろ・粉瘤など・イボなど)
腫瘍(ほくろ・粉瘤・イボ など)・皮下腫瘍(脂肪腫・軟部腫瘍など)を最小限の傷跡でなるべく目立たないように除去します。
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傷あと(瘢痕)・ケロイド
傷あとは医学的にいうと「瘢痕」(はんこん)という言葉になります。いったん傷がつけば傷あとを完全になくすことはできないため、傷あとを目立たなくするような治療を行います。
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アザ(太田母斑・ADM・扁平母斑・蒙古斑)
アザ(太田母斑・ADM・扁平母斑・蒙古斑)のレーザー治療などを行います。
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眼瞼下垂・逆さまつげ
眼瞼下垂、逆さまつげの手術治療を行います。
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その他(巻き爪、変形、傷、やけど など)
巻き爪、陥入爪、変形、傷、火傷 などの診察や治療を行います。